男はつらいよ 第49作 (シナリオ:幡多山正太郎 挿絵:久米真未)
■場面(6) タイムスリップ
時代は応仁の乱当時の京都。
鳥帽子をかぶり直垂を着用し、公家風の格好をした寅さんが、荒れた侘しい邸宅の縁側で短歌を詠んでいるシ-ン。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[台詞]
寅「逢いみての のちの心に くらぶれば 昔はものを思わざりけり・・・か。」
「東風ふかば 匂いよこせよ 梅の花 主なくとも 春な忘れそ」
・・・どっかで聞いたような二首の短歌を、一応は哀しげな、とぼけた顔で詠み、扇子を手に夜空を仰ぎ、嘆息して感慨にふける風。
そこへ、数十歩離れた荒れた庭園の一画から、高貴な衣装を身に着けた木俵御前が、裾を引きずりつつ、縁側に掛け寄り、涙を浮かべて声を掛かる。
「寅麻呂様、どうしても都をお捨てになるのですね。」
寅「おお姫か。」と、縁側に片膝をつき、御前の手を取り
寅「麻呂とて、都を離れとうはないが、この戦で、まもなく館も焼かれようぞ。この上は戦火を避けて、都落ちするしかないと決めた。麻呂は、わが荘園、土佐ノ国は幡多ノ荘に、一族郎党ともども渡るつもりじゃ。」
「土佐といえば、鬼が住むという遠流の地、一度海を渡り落ちゆかば、都に再び帰れる望みはありましょうや。」
寅「鬼の住む、草深い田舎とて、歌を詠む月や星、山河はあろう。二人して詠み交わそうぞ。住めば都、と申すでないか。そのうち、戦乱のない平和な世になり、きっとこの都に帰れる日も、こようぞ。」
「まことで、ございましょうや。私にすれば、土佐の国は唐天竺とおなじ、異国の地でございます。」
寅「かの地には、渡川と称する大河があるそうな。川はやがて海に出る。時きたれば、麻呂は、魯代わりに手で海をかきわけてでも、一目算に再び、この都に帰ってくるつもりじゃ。姫よ、まずは、麻呂とともに土佐へ参ろうぞ。」
「寅麻呂様。うれしゅうございます。是非、お連れくださいませ。私は都も家も親も、捨てまする。実は、私のお腹には寅麻呂様の、ややこが・・・」
寅「なにっ、そうか。」と愛しげに、御前の両手を取る。
しっかりと、縁側で抱き合う2人。木俵御前の涙、数滴が寅麻呂公の顔に掛かる。
ここで「♪ 連れて逃げてよ~ ♪」と「
矢切の渡し」のメロディが、なぜか場違いに、聞こえてくる。・・・
****************************
[広告]
◆ブログ・ワールド <3月12日ー18日>
■四万十川通信(日刊)
◇
四万十川漫画大会『寅さん・6』
◇
ゴルゴ13の墓を四万十川に・・・【第10回】
◇
竜馬が四万十川にゆく・其の5
◇
四万十の文芸・春秋 『宿』編
◇
四万十川物語 第14話橋詰寿男氏
◇
シンポ&フォーラム(5)
◇
四万十川新聞【日曜版】古新聞(18年10月)
■四万十川百人一首(週刊・火、金曜日配信)
◇
宮崎 孝(四万十市)
◇
寺田 穰(神奈川県)
◇
平賀冨美子(神奈川県)
◇
中嶋健造(いの町)
◇
朝田照代(四万十市)
■四万十川の文化人・小谷貞広(週刊・木曜日配信)
◇
ふるさと(花遍路)
■四万十通信(ほぼ週刊・不定期)
◇
特集:限界集落(大野晃氏)
■バーチャル[こうち自然村](ほぼ週刊・不定期)
◇
アンケート
■土佐の森・救援隊(ほぼ週刊・不定期)
◇
メルマガ:土佐の森・救援隊 (184号)
◇
こうち森林救援隊
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【ポスター】 [第21作]
寅次郎 : 渥美 清
櫻 : 倍賞千恵子
マドンナ : 木の実ナナ
ロケ地 : 熊本県阿蘇
**********
熊本の温泉にやってきた寅次郎。長逗留してしまい宿代が嵩んでさくらにSOS。
柴又に連れ帰られると、さくらの友人でSKDの花形ダンサー奈々子が遊びに来ていた・・・
○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o
新・四万十川新聞【日曜版】
古新聞=
『ブログフォーカス(四万十川通信)』
壁新聞=
『県庁ぷらっとこうち版・四万十川新聞』
○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o○○o。..。o