新・四万十川新聞【日曜版】



2007年 02月 18日 ( 1 )


寅次郎の「四万十川の大休日」  第6巻

    男はつらいよ 第49作 (シナリオ:幡多山正太郎 挿絵:久米真未)

■場面(4) 四万十川の堤防(赤鉄橋近く・・・)

 河川敷のグランドでは小学生らがサッカーをしている。少年らの黄色い声に混じって、監督らしき中年男[四万十太郎]のホイッスルと野太い怒号が時々飛び交う。
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 たゆたう四万十川とボールを追って駆け回る少年らの動きを、堤防の草の上に座り、両足を投げ出した楽な姿勢のままじっと眺めている寅さん。

 そこへ白い日傘をさした、若い色白の女性[仲間由紀恵]が通りかかり、寅さんに声をかける。

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[台詞]

 「こんにちは。今日はちょっと暑いですね。」

 寅さん、チャ-ミングな若い女性の突然の声掛けに、やや狼狽気味に体を向けて、座ったままだが、背筋を伸ばして 

寅「やっ、こんにちわ。」と、口元にやや不自然な微笑を浮かべ挨拶を返す。
 「県外から、いらっしゃったんですか。」

寅「ええ、東京は柴又です。」と、東京弁を強調した気取った物言い。
 「まあ、ずいぶん遠くからいらしゃったんですね。」

寅「なんでも高知県の三大祭りと言われる一条祭を一度みておいたらと、電車で隣り合った上品なおばあさんから誘われましてね。途中下車しちゃいました。」(注:あえて電車と表現)
 「そうだったんですか・・私、実は四万十市役所の観光の係をしてまして、県外から来た観光客と思われる方には、この時期出来るだけ、声掛けをしているんですよ。今日はたまたま、お休みだったんですけど、ついつい、いつもの癖で声を掛け、さしていただきました。」

寅「それはどうも、ご親切に恐れ入りやす。」と、突然の声掛けのわけに、納得した風。

 しかし、丁寧で知性的な若い女性の、京都なまりと言われる幡多弁特有の優しいもの言いにつらされて、ついつい、気取ったものの言い方になる寅さんであった・・。
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寅「いえね、この川景色は、私のふるさと東京は江戸川に似ているなあと、風情を楽しんでいたんでございますよ。矢切の渡しの葛飾柴又です。ほら「♪ 連れて逃げてよ ♪」ってやつでおなじみの所です。」・・とメロデイを軽妙に口ずさみつつ説明する寅さん。

 「ふふふ、面白い方。私は、木俵真智子と言います。この四万十川でもちょっと下流の方で、渡し船がこの前まであったんですよ。あのー、もしよろしかったら近くの観光案内を今からボランティアで、さしていただきますけど。」 

寅「それは・・願ってもない、ありがたいことです。あっしは車寅次郎と申しまして、けちな野郎なんでございますが、生鮮青果物や高級貴金属、おもちゃ類・いえ、その大人のおもちゃ、とかでなくて、健全な子供のおもちゃ、とかですが、総合的な移動セ-ルス業をやっております。寅と呼んでやってください。お嬢さん。」 

 さすがに、ずばり香具師とかテキ屋の表現は避けた寅さんであった。

 お嬢さんと呼ばれて、照れた感じの木俵真智子が、まずは赤鉄橋上流、百笑の遊覧船乗り場に寅さんを誘う。日本最後の清流と称せられる四万十川をまず身近に知ってほしいとのサ-ビス精神の表れのよう。

 思わぬ出会いから、商売の細かい段取りそっちのけで、旧中村市内の観光にいそいそと締まりのない顔で出歩くことになった寅さん。

 堤防の上の道を2人が立ち去るとき、なぜかサッカ-練習場からホイッスルがひときわ強く鳴り響いた。実らぬ恋への警笛のように・・・。それは既にルンルン気分のモードに入った寅さんの耳には当然届くはずもなかったが・・・。
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◆ブログ・ワールド   <2月12日ー18日>

■四万十川通信(日刊)  

 ◇四万十川博物館(別館/特別展示室)
 ◇ゴルゴ13の墓を四万十川に・・・【第6回】
 ◇四万十川の文化人「小谷貞広」・その10
 ◇四万十の文芸・春秋 『鮎』編
 ◇四万十川物語 第10話山原健二郎氏
 ◇シンポ&フォーラム(1) 
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 ◇特集:限界集落(大野晃氏)

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 ◇森林ボランティア活動(4) 

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【ポスター】  [第17作]
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 寅次郎  : 渥美 清
 櫻    : 倍賞千恵子
 マドンナ : 太地喜和子
 ロケ地  : 兵庫県龍野市

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 柴又の飲み屋で意気投合した老人と、ふたたび出会った旅先の宴席に呼ばれていた芸者ぼたん。

 ふたりは似たもの同士という立場からか、互いに惹かれあっていたが・・・
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◆「男はつらいよ」ポスター展

 バーチャル映画第49作『男はつらいよ 寅次郎の「四万十川の大休日」』の完成を記念してポスター展を開催しています。

 ・日 時 : 平成18年10月より当分。
 ・場 所 : 四万十市天神橋アーケード街
 ・主 催 : 四万十川新聞社

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 新・四万十川新聞【日曜版】

  古新聞=『ブログフォーカス(四万十川通信)』
  壁新聞=『県庁ぷらっとこうち版・四万十川新聞』

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by tora100s | 2007-02-18 05:34 | 新聞小説


新聞小説(寅次郎の「四万十川の大休日」)を連載します。
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