新・四万十川新聞【日曜版】



2007年 01月 21日 ( 1 )


寅次郎の「四万十川の大休日」  第2巻

    男はつらいよ 第49作 (シナリオ:幡多山正太郎 挿絵:久米真未)

■場面(1)オープニング アンパンマン列車・その2
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 ここに土佐くろしお鉄道車掌[間 寛平]登場。
 ・・・手前の窪川駅より乗車勤務。ひょうひょうと。

                                【写真】中村駅
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[台詞]

 「ええ お話し中のところ恐れ入りますが 切符を拝見させていただきます」 

寅「やだねぇ、気っぷの話をしているのに、切符なんて駄洒落を言いやがって、こん畜生め」と、寅さんが車掌を上目遣いに見てからかう。わけがわからず当惑の表情の車掌が傍らに佇み、寅さんとばあさんを交互に見る。それを見て再度笑う寅さんと行商のおばあさん・・・。

 そこからの寅さんと車掌とのやりとり・・

寅「おう、車掌さんよ『やどけ』てのはまだ遠いのかい」とポケットから余裕たっぷりに切符を差し出す。周りの席の女子高校生ら乗客から一斉に失笑が起こる。
 「やどけ? ああ、宿毛のことですね、まだ5つくらい先の終点の駅ですよ。」

 笑いをかみ殺しながら切符にスタンプを押して、車掌が遠ざかる。寅さん、車掌の指摘ですぐに間違いに気づき、周囲の失笑を意識して開き直った風で切符を眺めながら

寅「そうか、すくもと読むんだったな。こちとらはよう、柴又尋常小学校卒だからよう、難しい漢字は昔から読めないんだ。読み方の難しい漢字には切符にもフリ仮名を振ってほしいもんだよなぁ、ばあさんよ。JRは不親切だなあ、そう思わないかい。」  

 うっかりと地名を読み間違えた寅さんが、照れながら弁解気味に行商のおばあさんに同意を求める・・・

 「そうよね、初めての人は、なかなか『すくも』とは、よう読まんぞね。」と、おばあさんが無理もないと周囲の人の笑いから寅さんをかばう発言。寅さん近くに味方が現れたことに気をよくして、

寅「そうだろ、そうだろ。しかし、宿の毛てのはなんか色っぽい漢字だねぇ」と読み間違いの話題を意図的に早く逸らそうとする。
 「いやだよ、あんた。なんかいやらしいことを今想像したんだろう。」

寅「な何言ってんだい、いくらおいらが一人者だからって、そこまで言っちゃあおしまいだぜ、ばあさんよう、おらぁはもうとっくに枯れちまってんだぜ。」と受け流す。味方と思っていたところが、思わぬ寝返りに遭って陣容を立て直そうとして続けて言う。

寅「君子あおむけには近寄らずて言うじゃないか。そういう世俗から離れた枯淡の境地ってやつよ、枯淡てのを知ってるかい、ばあさん。北海道は歯舞、色丹、暴走族ならシャコタンよ。ともかくよ、枯れてあっさりしてることを、枯淡ていうんだぜ」 

 寅さん説明しながら柴又帝釈天の題経寺の坊さん(笠智衆)を、具体的なイメ-ジとして思い浮かべる。

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[挿入シーン]
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 柴又帝釈天の坊さん[笠智衆]が袈裟を着けて本堂で勤行をしている。お経を読み上げているが、しわがれ声でゴホンゴホンと咳をして中断、そしてつぶやく。

 「夕べ、カラオケを歌いすぎて、喉が枯れてしもうたわい」と独白して、お経を続ける。

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[もとの場面]

 「ふふ 枯れてるって本当かえ?」と ばあさんが寅さんの目を下からいきなり覗き込む。どうやら寅さんは、このおばあさんに歳に似合わぬ純情ぶりをあっさりと見抜かれてしまった様子。

 北方領土と坊僧族を思い浮かべている間に、防衛ラインをあっさりと破られてしまった。剣道流に言えば間合いをいきなり詰められ、下段からの逆袈裟切り。まさしく坊さんのことを考えていたせいに違いない・・・。

 寅さんは絶命いや絶句し、両目を左右に忙しく往復させ、やがて耐え切れずに帽子に手をやり窓の外の空にプイと視線をそらす。これぞ色即是空。この勝負はばあさんの勝! 

 窓の外には太平洋が広がっている。
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                          【写真】撮影:小谷貞広
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◆ブログ・ワールド   <1月15日ー21日>

■四万十川通信(日刊)  

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 ◇ゴルゴ13の墓を四万十川に・・・【第2回】
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【ポスター】  [第13作]
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 寅次郎  : 渥美 清
 櫻    : 倍賞千恵子
マドンナ:吉永小百合
ロケ地 :島根県温泉津・津和野

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 津和野を旅する寅次郎は、2年前に金沢で知り合った歌子(吉永小百合)と再会する。彼女は父の反対を押し切って陶芸家と結婚したのだが、その夫が突然なくなり、今は夫の実家のある津和野の図書館で働いているのだという・・・


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 新・四万十川新聞【日曜版】

  古新聞=『ブログフォーカス(四万十川通信)』
  壁新聞=『県庁ぷらっとこうち版・四万十川新聞』

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by tora100s | 2007-01-21 20:41 | 新聞小説


新聞小説(寅次郎の「四万十川の大休日」)を連載します。
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