新・四万十川新聞【日曜版】



2007年 01月 14日 ( 1 )


寅次郎の「四万十川の大休日」  第1巻

    男はつらいよ 第49作 (シナリオ:幡多山正太郎 挿絵:久米真未)

■場面(1)オープニング  アンパンマン列車・その1
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 晩秋の11月下旬 宿毛(すくも)行き特急南風3号アンパンマン号列車内。

 進行方向左側・窓側の席で腕組みし、ウトウトとトレードマークの帽子を目深にかぶってまどろむ寅さんの姿がある。
  
f0126949_714134.jpg 土佐くろしお鉄道(窪川駅よりJRでなく第3セクター路線となる)の土佐佐賀駅。

 発車ベルが鳴る中、寅さん目覚めて前席と窓の外を見れば、この駅で乗車した地味な柄のエプロン、モンペ姿のおばあさん[樹木稀林]が、外に向かって手を振っており、改札口付近では見送る若い親子連れ(母親は[国仲涼子] 子供は5,6才男児)が、こちら方向の動き始めた汽車に大きく手を振っている。  

 そのおばあさんは、ホームが見えなくなるまで窓から手を振った後、寅さんの前の座席に大きなブリキ製の荷物を横にずらして、「よっこらしょ」と声を出して座る。この行商風のおばあちゃんに、まだ眠そうな顔をした寅さんが退屈しのぎに気さくに話し掛ける。

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[台詞]

寅「よっ、ばあさん、景気はどうだい?」
 「近頃は、どこもかしこにもスーパーが増えていかんねえ」と、手ぬぐいで顔の汗をぬぐう。

寅「何を売ってんだい」と、太いベルト帯付きの特性ブリキ缶に目をやる。 
 「おじゃこやら干物、天然の塩を乳母車へ積んで売りにまわりよらね」

寅「そりゃばあさん、電車賃出して買って来て、売り回っても儲けはないんじゃないのかい」(注:あえて汽車でなく東京風に電車と表現)
 「佐賀に嫁に行た娘が安うに手にいれたがを、あたしが地元の中村の街で売りよらね」

寅「ふーん、そうかい、そうかい」と腑に落ちた風。
 「まあ、儲けよりもボケ防止よね。連れ合いが3年前に死んでねぇ。4人の子供のうち3番目のあの娘が近へかたずいちゅうけんど、他の子は全部県外に出ていてしもうて・・・本当は孫の顔を毎週見に佐賀へいくが楽しみでねえ」と、寅さんの気さくさのためか、はたまた話好きのためか、問わず語りに家庭の事情までをあれこれ話す。
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寅「孫か・・・」と、寅さん小さくつぶやき、遠くを見るような表情を浮かべる。
 「兄さんはもうえいお年に見えるが、お孫さんは何人ばあ、おるぞね」

 寅さんやや慌て気味に、ヒラヒラと手を横に振りながら 

寅「おらよ、年から年中旅ガラスでよ、その嫁を貰う間がなくてよ、孫までまだ手が廻らないんだよ」   
 「おや、そうかね、悪いことを聞いたねぇ。ごめんよ」
 
寅「いいってことよ。で、さっきのホ-ムで、ばあさんを見送ってたのが娘さんと、お孫さんってわけだ。かわいい娘っ子と孫じゃねえか。」
 「ああ、そうじゃのうし、一緒に住めばえいにと、娘夫婦も言うてくれるけんどねえ・・」
 
寅「そうすりあ、いいじゃねえか、一人暮らしは何かと不便だろう」
 「あたしも元気なうちはねぇ・・・」と後は曖昧にぼかす言い方。
 「ところで兄さん、あんたはなんの商売をしゆうがぞね。東京の人みたいに垢抜けしちゅうが」と、逆に聞く。
 
 寅さん『東京の人』、『垢抜け』の言葉にくすぐられた反応を示し、着古した茶色のジャケットの両襟を気障っぽく指で挟みながら、上体をちょいと前に傾けて

寅「おらはよ、全国を股にかける香具師(てきや)てやつでよ、バナナやら生活用品、それから子供のおもちゃとかをよ、日本国中の祭りとか縁日を追いかけ回して売ってんだい」
 「ふーんバナナに子供のおもちゃかね、あんまり儲かりそうにない物ばっかりじゃねぇ」と、ばあさんがさっきの仇を討ったような、ヤシべるようなモノの言い方・・・。寅さんやや憮然として、

寅「ばあさんに言われたくないねぇ、こちとらはよう江戸前の気っぷの良さも、一緒に、売ってんだい」と、歯切れ良く虚勢で胸を張る風。

 ばあさん「気っぷねぇ~」スーパーと張り合って厳しく商売している関係上、この付加価値説には納得がいかない面持ち。

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◆ブログ・ワールド   <1月8日ー14日>

■四万十川通信(日刊)  

 ◇四万十川漫画大会(バーチャル)『寅さん』
 ◇ゴルゴ13の墓を四万十川に・・・【第1回】
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【ポスター】  [第12作]
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 寅次郎  : 渥美 清
 櫻    : 倍賞千恵子
 マドンナ:岸恵子
 ロケ地 :熊本天草、阿蘇・大分別府

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 幼なじみの柳文彦に合う。何十年ぶりかの再会に話は大いにはずみ、連れて行かれた妹・りつ子の家で、彼女が描いた絵にいたづら書きをしてしまう。画家を職業としているりつ子、作品を台無しにされ・・・

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 新・四万十川新聞【日曜版】

  古新聞=『ブログフォーカス(四万十川通信)』
  壁新聞=『県庁ぷらっとこうち版・四万十川新聞』

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by tora100s | 2007-01-14 07:03 | 新聞小説


新聞小説(寅次郎の「四万十川の大休日」)を連載します。
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